竹葉秀雄という人

近藤美佐子

 世の中には偉い人はおおぜいいるが、懐かしいひとというのはそう多くはない。偉くてしかも懐かしい人となるとまことに少ない。
 竹葉先生は、その希少な「偉くてなつかしいひと」であった。
 先生は、今を去る五十余年前、愛媛県の教育委員長として、当時猖獗をきわめていた日教組と闘ってこれを殲滅させ、愛媛の教育のみでなく、日本の教育を正す先鞭をつけられた。この闘いには、地評や総評まで加わり、県会から国会に波及して、まさに天下を二分する闘いとなったのであるが、その大騒動の間も、先生は寸分を惜しんで「論語」や「古事記」の勉強会で講義をされたが、私たちは先生の、春風のように穏やかで温かな人柄にふれる嬉しさで、嵐の夜も雪の日も苦にならず、集まるのが楽しかった。
 先生のことを思うとまず懐かしさが込み上げてくる。
 私は若い人をみるごとに、とくに、道を求めている青年をみるごとに、「此の人を竹葉先生に会わせてあげたい」と思う。その人に会い、その人格に触れて、その全容からあふれる温かで清らかな人格の香りにふれること、これが、最高の「教え」ではないかと思うからである。  
  
(平成20年8月記)
「日本宣言」竹葉秀雄 (Word文)93KB  PDF 310KB  
「日 本 道」竹葉秀雄 (Word文)122KB  PDF 106KB

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