今月の主張
 中山会長の巻頭言
「独立自尊の気概を!」 
日本会議愛媛県本部会長
 中 山 紘 治 郎
 「昭和の日」の前日、美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会は「憲法改正を実現しよう! 大講演会」をひめぎんホールで開催した。講師は櫻井よしこ氏。五階まで満席になった会場からは、感動と連帯の拍手が鳴りやまなかった。今日、これほど理路整然と天下を論じることができる論客はいないだろう。氏はまさに真(まこと)の国士(こくし)である。憲法改正という不退転の目標へ向かい、氏と手を携え活動できることを私たちは誇りとしたい。

 氏は新潟県長岡市の出身である。長岡藩では代々、親の看取(みと)りは重要な人倫だった。余命いくばくもない親は集まってきた子供たちに来(こ)し方を語り人の道を説く。氏も卒寿をこえた母上を自宅に迎え入れ、いまも介護をされているという。氏と同郷の山本五十六は、「天皇の恩、親の恩、師の恩」の三恩をあげ、「世の中に立ち、国のために尽くすことが第一の恩返しである」と語っている。長岡には昔から人倫を重んじ国を思う精神風土があるのであろう。

 長岡藩は幕末から明治へと、日本の夜明けを開いた北越(ほくえつ)戊辰(ぼしん)戦争の舞台であった。この内戦から七十年後、日本はアジアの解放を目指す戦いを始めたが、拙劣(せつれつ)な外交戦略ゆえにアメリカとの開戦を余儀なくされて敗戦。六年半もの長期間、占領軍の統治下にあった。

 戦後七十年の今日、櫻井よしこ氏は安保条約の改正を成し遂げた岸信介首相を高く評価し、令孫の安倍総理の悲願でもある「美しい日本の復権」を全力で支持し応援している。長岡と山口、かつて仇敵だったお互いの郷里も、独立自尊の気概を重んじるということにおいて、昔も今も相通じているのである。

 この点、愛媛でも決して負けてはいない。秋山好古・真之兄弟、児島惟謙や穂積陳(のぶ)重(しげ)、別子銅山の近代化に努めた広瀬宰(さい)平(へい)や中興の祖の伊庭(いば)貞(てい)剛(ごう)、さらに正岡子規もいる。みんな独立自尊の気概に富み、新時代を切り開いていった人々である。もしかれらが今の日本にあって櫻井よしこ氏の講演を聴けば、即座に憲法改正運動への連帯を誓うであろう。しかし不幸なことに、いまだに占領軍の洗脳による隷属的な国家観に犯されたまま目覚めない人々がいる。私たちはそのような人々への啓発を行いながら憲法改正運動を断乎、推進しなければならない。みんなでがんばりましょう。


『日本の息吹』平成27年6月1日号「愛媛版」より転載

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