今月の主張
 「日本の息吹愛媛版 平成26年3月号巻頭言」
「一刻も早い憲法改正を!」 
日本会議愛媛県本部会長
 中 山 紘 治 郎
 安倍内閣が誕生してからというもの、私はよく憲法を読むようになったが、みなさんもおそらく同じではないだろうか。前文、第一条、第九条、第九六条、それに第三章の「国民の権利及び義務」を規定した条文は何かと読む機会が多く、そのたびに情けない思いに歯ぎしりし、憤りに身を焦がすことになる。

 みなさんも百も承知のように現憲法は、GHQの民政局が二週間で作成した英文の憲法草案の翻訳であるから、だらだらと長い前文などは日本語としての体を為していない。くわえて、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。云々」などは、なんと白々しいことか。これはまさに、無防備な日本の都市を焼き尽くし、対ソ戦略のために原爆を二つも落した国が、私たちに押し付けた軍事的奴隷の「証文」であろう。戦勝国アメリカは第九条で日本を極東アジアのなかへ丸裸にしてほうりだし、第九十六条で日本人を骨抜きにした憲法を容易に改正できないようにした。

 戦後およそ七十年がたち、この押し付けられた憲法と現実との乖離(かいり)がますますひどくなってきている。そもそも欧米の国家は、略奪、殺戮(さつりく)、侵略の民族興亡の歴史過程のなかで成立している。国家統治の最高法規である憲法は社会契約であって、不磨(ふま)の大典などではない。現実にあわせて改正することは当たり前なのである。ちなみに同じ敗戦国のドイツは戦後に五十七回、百九十八カ条、イタリアは十六回の四十三カ条も改正している。アメリカも独立以来十八回、二十七カ条である。

 日本には聖徳太子の古来より「和を以(も)って貴(とうと)しとなし」の十七条の憲法があり、「広く会議を興(おこ)し万機公論に決すべし」の五箇条の御誓文がある。日本人はみなこの瑞穂(みずほ)の国で、お互いに扶(た)すけあい安寧(あんねい)に暮らしてきた単一民族である。世界最古の万世一系の天皇をいただく日本の国柄は、多民族国家の欧米の理念で作成された憲法とは根本的にそぐわないのである。これは改正を求める理由の根幹であることを私たちは忘れないようにしたい。

 共産党独裁国家の中国が領土的野心を強めている。太平洋をアメリカと二分する戦略を本気で練っている国である。私たちは一刻もはやく憲法を改正し、自衛隊を国防軍として憲法に明記し、アメリカの軍事的庇護(ひご)のもとから抜け出さなければならない。そのうえで安倍総理のかかげる積極的平和主義にたち、日本の国柄に合った外交を展開することこそ、真の独立国として靖国の英霊に応えることになるのである。



『日本の息吹』平成26年3月1日号「愛媛版」より転載

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h26.3.20