日本も近隣諸国もリーダーが変わった
わが国に一層厳しい情勢がそこに 
日本会議愛媛県本部会長
 重 松 惠 三
近隣諸国は新しいリーダーによって
    我が国に対する姿勢に変化があるでしょうか。

一.甘い期待は禁物  「そこにある危機」に備えること

 三月十四日、全人代で習近平が国家主席となりました。「中華民族の復興」を唱導しその手段として「富国強兵」を掲げます。「毛沢東」復活の声も聞こえます。韓国では初の女性大統領 朴槿惠が二月に就任。早速「歴史問題」を強調し我が国に迫ります。北は去年から金正恩。爺、親父、孫の三代目、ミサイルを射ち核もやればサイバーも。国連の制裁に反発して、停戦協定を破棄、戦争宣言。

 三百基の「ノドン」は日本を狙う。ロシアも昨年プーチンが復活。北方領土に目途はつくのか。経済交流の甘い話に用心肝要。アメリカはオバマが二期目、景気は好転のようだが、歳出削減に軍は弱体化、日米安保の信頼度に影響はないか。我が国は安倍晋三首相が返り咲き。今のところやること為すこと花が咲く。円安・株高・三本の矢、TPPもなんとか凌ぎ、憲法改正、戦後脱却ができれば万々歳です。

 この様な中で日本に対する各国の姿勢の変化を期待する向きもあるが国際情勢はそんなに甘いものではありません。より厳しいものがあることを覚悟して備える必要があります。
ここで注目したいのは歴史認識と支那の軍事力拡大を背景とした周辺国への侵略姿勢です。

二.歴史認識は国の興亡離合によって変わる。
   人によっても変わることは当然

 韓国の大統領は早々に歴史問題を採りあげ、安倍総理との電話会談でも千年の憾みを伝えました。韓国は支那とともに日本に歴史について彼らと認識を一にすることを迫ります。事実は変えられないが、認識は個々に異なることは当たり前です。経済下降、少子高齢、北の脅威の中で日本に「植民地支配」「慰安婦」「竹島」を言い募ります。然し李王家の皇族処遇や日本時代の父の経歴を見れば「植民地」ではなくアネクゼイション「合邦」であったことがよく解ります。内鮮一体、朝鮮人も同じ日本人でした。

 それは大統領の父、朴正煕元大統領の日本時代の歩んだ道が語ります。日本名「高木正雄」、成績がいいので師範学校に入れ、満州軍官学校に進み、陸軍士官学校へも留学させる。朝鮮人の名前の日本陸軍の将軍は十人ほどいました。帝国大学も京城に大阪、名古屋より早く設立。興南には大化学工場、水豊ダムの発電量は世界最大級。朝鮮に残した資産は百兆円近くに上ります。

三.「中国の夢」は経済と軍事力による領土の拡大と海洋進出。
   地域支配を目指す

 二〇〇八年、北京オリンピック開会式のショ―。大勢で舟をこぐシーンを延々と続ける。見る人全てに「鄭和」の七回に及ぶ海洋遠征を想起させます。西欧の大航海時代に先んずること七〇年。西太平洋 インド洋アフリカ東岸までも。アメリカへも、行ったか。それは歴史に絡めて支那の海洋進出宣言でした。何故日本に来なかったか?元寇の全滅の所為かあるいは、日明貿易に精出した足利義満を「日本国王」として朝貢国なみに見られたか。

 何れにせよ、宇宙に海洋にサイバーに新しい戦略空間を広げ支配する。それによって、米中対等の国際秩序を構築する。これが「中国の夢」でしょう。その一歩が尖閣であり、南シナ海です。日本が生きる道の厳しさ。国民の国家への献身、覚悟が求められます。



『日本の息吹』平成25年5月1日号「愛媛版」より転載

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