今「戦争でない戦争」が
日本会議愛媛県本部会長
 重 松 惠 三
一.「支那事変」という「事変」がありました。

 「戦争」ではありません。左翼の人は「日中戦争」とか満州事変以降の戦を「十五年戦争」と呼びます。昭和十二年、盧溝橋事件に端を発する支那・中華 民国との武力衝突を「支那事変」と呼びました。日本、支那ともに相手に対し最後通牒もなく宣戦布告もしません。「戦争」ではなく「事変」です。戦争 となれば支那・蒋介石は米英など中立国からの支援が受けられなくなるので戦争とはしたくない事情があり、日本も局地の武力衝突として収めようとしま した。「戦争でない戦争」です。現在そのような事態は世界に多くあります。アルジェリアの悲惨も日本の安全問題です。

二.今年の大事は中国の我が国に対する出方とそれへの対応です。

 韓国への対応もあります。いずれの国も日本との事を構える時、入り口に先ず「歴史認識」です。歴史問題の本質は「国際情報謀略戦」。情報謀略と言 えば、古くは、蒋介石夫人 宋美齢がその美貌と巧みな英語を駆使して米国大統領ルーズベルトに取り入り、米国の反日気運の醸成と蒋政権に対する援助 を拡大したことや、コミンテルンが中国共産党や日本の共産主義者を煽動してソ連の発する対日工作を行ったことがありますが、今もあります。数年前、 我が国のトップリーダーと中国女性工作員との関係が週刊誌に報じられたことがありました。沖縄での反戦、反米、反基地、反自衛隊運動は平和の旗を掲 げますが、本土から多数のプロの運動家が乗り込み、彼らの背後に中国の影が見えると指摘されて久しい。

三.今、中国が考える戦 何でもありの禁じ手なし 目標は心の支配  

 孫子が今に生きる。戦わずして勝つ「戦わずして人の兵を屈するは善の善なり」「上兵は謀を撃つ・・・下は城を攻む」騙して勝つ 脅して勝つが上 策。兵法三十六計の第一計は「瞞天渡海」その解説に「敵に繰り返し行動を見せつけ見慣れさせ、油断を誘って攻撃する」と。尖閣、沖縄周辺の動きはこ れです。昔も今も、人と交わるは己の利得を為すにあり、謀と武を巧みに操ってことを為す。誠意が通ずる相手ではありません。 現在は、新たに「超限戦」を掲げ、「三戦」を国の戦法として称揚します。

「超限戦」とは「非軍事の戦争行動」「非戦争の軍事行動」のこと。貿易、金融、流通、新テロ、生態(環境問題など)、心理、メディア、麻薬、密輸、 ハッカー、技術、仮想、資源、恩恵、経済援助、文化、国際法など何でもあり、全てが戦争の手段であり戦争の場です。
「三戦」は軍の政治工作条例に挙げられ、作戦領域拡大の手法として「与論戦」「心理戦」で彼我の国民の「心」を目標として有利な状況を作為する。
「法律戦」では国内法の作用と国際法の無視あるいは独断専横的解釈により軍事行動の根拠、背景とする。国際慣行も国際秩序もあの国には通用しませ ん。歴史、大戦後の国際秩序の維持や国連憲章の敵国条項をもってする日本批判。外相は国連で「尖閣を日本が盗んだ」との発言。同根でしょう。

 商標から高速鉄道、兵器万般、盗む獲るのは得意技。日本には中国の工作員、留学生、企業の社員、研修工、ハッカーが沢山います。超限戦が今日本に 向けられていることを、日本人がしっかりと意識し万全の対策を講じなければなりません。そのような時に鳩山元首相は中国の言うなりにその手の内に乗 る。防衛大臣が言いました。「国賊」です。



『日本の息吹』平成25年3月1日号「愛媛版」より転載

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