日本よ甦れ!今年を再生の年に!
日本会議愛媛県本部会長
 重 松 惠 三
*何から「日本を、取り戻す。」のか

 昨年末総選挙が終わり、新しい政治が年の暮れから始まりました。「日本を、取り戻す。」をスローガンに選挙戦を戦った自由民主党が政治の主導権を握ったことは、日本にとっても国民にとっても喜ばしい幸せなことでした。何から「日本を、取り戻す。」のか。国民には深い理解と、それなりの覚悟が求められます。

 虚偽によって歪められた真実、強制をもって受容させられた制度、毒された国民の心情など戦後の占領政策及びそれによって影響を受けたものを「洗濯」することです。占領統治に便乗した人たちによって作り上げられた偽りを剥ぎ、日本の国柄、日本人の本然の姿を「取り戻す」ことです。

 もうまやかしの保守の巧言に国民は騙されません。左翼の偽態も見破りました。このため本当の保守に国民の期待が集まります。長い自民党政権と続く民主党政権の訳の解らん政治によって日本自身が失っているものに国民は気づき、国家としての危機を政治にありと断ずるに至ったのです。「改革」という言葉を御幣に担ぐ手合いは「右」に「左」に多くいます。保守とは固有の国柄、伝統文化の上に立って時代とともに現在から将来に伸展を続けることです。

*すっきりした、さっぱりした政治が望まれます

 「すっきりした」「さっぱりした」という言葉は禊に由来するもので外国語にはないと言います。政治はそんな単純なものでないことを百も承知の上でなお望みたいのはこれです。現在の政治の姿勢に「純」なるものがない。民主党の没落は綱領すら決められないバラバラ集団、未だに革命幻想を捨てきれない旧社会党系や、国民ではなく組合の走狗となる議員によってついに政党の体を為さないままに分解しました。市民運動の感覚では一国の政治に適うはずもないことも解りました。

 自民党のリベラルという鵺の様な存在も結党の精神を歪め国民を裏切り続けてきましたが、その大物は既に無く、また選挙で落ちました。新しい政権の問題は公明党との連立です。どんなもやもやが出て来るのか。かつて創価学会婦人部や青年部の強い反戦平和主義が反自衛隊性向を持ち、それが我が国の防衛・外交に与えた様々な影響を自衛隊の中で知る者としては気に懸ることです。

*国難に赴く政治家の覚悟 最大の国難は軍隊を使う事態  

 「命をかける」政治家はよく言います。口先で言う程には人間の生命を懸けることは容易いことではありません。軍人・自衛官はそれを宣誓します。軍隊を使う立場の政治家は当然その覚悟がなければなりません。李承晩ラインで韓国による日本漁船の拿捕、漁夫殺戮、抑留が頻発した時、参院議員 辻 政信は竹島上陸を決意しました。

 日本の政治家の弱点は軍事です。軍事の経験がないオバマ大統領は六人の軍人を閣僚に起用しそれを補いました。今度はベトナムで五つの勲章を受けたケリーを国務長官にしました。芦田 均総理は次男を創設間もない警備隊(海上自衛隊の前身)に入れました。防衛を我がこととしたのです。学ぶべきことでしょう。先生方は、自身が予備自衛官の任にも堪えられないなら、せめて息子や孫に自衛官を経験させ、国防の大事を国民に示して欲しいものです。



『日本の息吹』平成25年2月1日号「愛媛版」より転載

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