歴史!父祖の辿りこし跡、
新しい道を拓く力
日本会議愛媛県本部会長
 重 松 惠 三
*戦後の教育は「子供たちをバカにする。
  みんな同じことをやる教育」


 未来工業の山田昭男さんの言葉です。占領政策を推進するために戦後の教育は日本の伝統文化を否定し排除する手段として極めて大きい役割を演じました。私は国民学校三年生でしたが、占領軍が不適当とする箇所を子供たちに見えなくし、読めなくするために教科書に墨を塗った記憶が今も鮮明に残っています。それはページの殆どすべてに及ぶこともありました。教科書は大事にするものだと、押戴いてから開いたものでした。「なぜ、どうしてこんなことを」。子供なりに大きい違和感を持ちました。戦後教育はここに始まり、所謂日教組による支配を受けて、今に至っています。

*改正教育基本法と歴史・公民教科書 

 安倍政権は心ある日本人の悲願であった占領下の教育基本法を改正しました。その前文では公共の精神、伝統の継承、新しい文化の創造を謳いあげ、第二条 教育の目的では情操と道義、生命と自然、伝統と文化を掲げ我が国、郷土を愛する態度で結びます。昨年の中学校歴史教科書採択では改正教育基本法の理念に適った育鵬社版が二十%とは言え採択され、県下の生徒がこれによって自らの歴史を学ぶことに喜びを感じます。なお八〇%の中学生が、日本の過去を悪しきものとする偏向教科書により父祖の歩みを教えられています。今年は高校教科書採択の年です。県下の高校では圧倒的多数が山川出版の教科書が使用されています。この教科書には南京事件や慰安婦がどのように取り上げられているかを見れば、執筆者の思想、立ち位置が解ります。今年は改正の趣旨を汲みそれに沿ったものが出ました。「最新日本史」明成社版です。久しく待たれたものでした。 

*教育視察団が残した戦後教育  日本とドイツ

 アメリカの教育視察団が昭和二十一年三月来日、一か月滞在して三項目を示して帰ります。六・三・三制、男女共学、ローマ字の採用です。占領軍の教育改革の背景の一例ですが、GHQの一中尉が「日本人の八十五%は新聞が読めない。学ぶ漢字は六〇〇字、新聞を読むには一四〇〇字必要。だからローマ字に変えよ」と。識字率世界一の日本人に対する無知と偏見に発する意見が通る。学制の改革で旧制高校は廃止、軍歴のある者には厳しい入学制限がありました。安部能成・天野貞裕など著名な教育者がいましたが、占領軍になす術もありませんでした。同じ敗戦国のドイツには、教育視察団の報告では、「いかなる国も我々の文明の共通財産に対してドイツほど貢献した国はなかった。ドイツの教育問題を取り上げる場合、この功績を無視したり、それに対する謝意を欠いてはならない」。学校制度もワイマール時代のものがそのまま残りました。日本に対すると大きい違いです。

*教師の不祥事と日教組の倫理綱領

 多くは立派な先生方ですが、県下でも教員の不祥事が続きます。教師が人の師表に立つ者の倫理観を捨て、昭和二十七年、革命指向と思しき教師の倫理綱領を採って以来、教師の道義は衰え、徳義は薄くなったように思います。教育の復興はここにあります。日教組・日教組的なものからの脱却です。それは戦後からの脱皮、新しい日本の前進です。






『日本の息吹』平成24年8月1日号「愛媛版」より転載

前号



h24. 8. 6