「左前」になったか日本。深まる春の憂い
日本会議愛媛県本部会長
 重 松 惠 三
*内憂外患こもごも来る、春の憂いは深まるばかり

 民主党政権の中枢にある人たちの立つ位置を右か左か中程か。そんな話が聞こえてきます。その経歴や政治家として育った土壌によって抜きがたいある種の政治姿勢を持つのは致し方ないことでしょう。この政権は「左」或いは「左」がかった人々が前面に出ていると評する国民は多い。「左巻き」でないこと祈ります。

 春が来たと言うのに冷え冷えとしたこの寒さ。「左前」とは辞書に明らかなように、経帷子の着方であり、家運が傾いた様子を言います。今の日本がそうであるとは信じたくありません。然し、閉塞感に包まれた政治、周辺諸国の横暴になすすべもなき外交、東シナ海に南極にわが国民の命を守る手立てもない安全保障、経済も支那の後塵を拝する体たらく。このまま日本は何処へ行くのか、国民の憂慮は尽きません。

 ではどうすりゃいいのか。日本の本然の姿と心を取り戻さなければなりません。政治家や政府に日本が直面する問題の打開に才覚も知恵も意欲もないとすれば、真剣にこの国を憂う強い国民の意識が政治の歪と怠慢を正してゆく他ありません。

*何をなすべきか  三つある憲法、教育、皇室。もう二つ靖国、防衛

 桜井よし子さんは最近、正論大賞を受けました。先だって松山での講演で、「今私たちができることは何か」と問い。大事なことが三つある説きました。第一に憲法改正,第二は教育改革、第三は皇室のことです。私も全く同感です。これを要するに戦後の占領政策が六十六年を経た今も続き、日本人の心を蝕み続けている根源となるものを取り除かなければ日本人の魂の復活はないということでしょう。

 憲法はGHQの日本占領基本法であることは、前文と第九条に明らかです。自らの命を守る力を自ら禁じ、外国には公正と信義があるものと信じ込みそれに日本の安全と生存を委ねる。不条理、精神の頽廃。これで日本人は独立不羈の魂と誇りを失いました。「不条理を正す」菅総理、どうしますか。

 教育は日教組の教師の倫理綱領の基盤にある、教育によって彼らの目指す日本革命を達成しようとする目標と行動は今も変わっていません。先の教研集会でも明らかですが、教室で日本人に非ざる日本人を育てています。子供のことばかりじゃないのです。戦後の教育を受けたすべての国民が彼らから教育を受けて今日に至っています。誤り偏った教育を受けたと言う自覚が全国民に必要であり,正さなければなりません。

 今、多くの議論がありますが、皇室は日本の国柄を為す根幹であるだけに万世一系の皇統が続き栄えることが日本を日本たらしめる核心であります。私たちがなすべき大事であることは当然です。

 さらに二つを加えたいと思います。靖国と防衛。靖国は国家と国民に命を捧げた究極の人倫、徳義、奉公の心、国民精神の精華として永遠に語り継ぎ、敬仰の誠を尽くさなければなりません。更に、国を守る、国民の命を守る防衛の力は国家存立の基を為すものであり、それ無き処に自存の気概も誇りもなく、勿論安全の保障もありません。他国の虚言圧力に屈し、追従することは自らを卑しめ、滅びに至る道です。我々が採り得ない道です。

 日本復活に、今私たちがなすべきは、戦後の残滓を除き、国民精神を振起することです。

『日本の息吹』平成23年4月1日号「愛媛版」より転載

前号



h23. 4. 1