娘・由美−失踪から15年目を迎えて
―小泉総理に経済制裁発動を求めますー
大 政 悦 子

 日本会議の皆様には、拉致問題解決のために温かいご支援を賜り誠にありがとうございます。
 娘は平成3年3月28日韓国慶州にて行方不明になり、本年3月27日で丸15年になります。平成3年4月に行方不明とわかり地獄を見、地の底から響くような唸るような声で慟哭し、私は気が狂うと思いました。5月ちょっとした言葉で不眠や耳鳴りで、脳神経外科で医師が「何かあったんですか、2〜3日眠ってないですね。このままでは気が変になりますよ」と言われました。6月は下宿を引き払った荷物を片付けていて、寝具についた髪の毛一本一本を集めながら、韓国が数年経てこれが由美さんの遺骨ですと言っても信じない、日本の警察で鑑定して頂くからと一人で泣きながらナイロン袋へ入れました。7月に新聞で北朝鮮が日本語を第二外国語に指定した記事を見て、娘は北に連れて行かれ生きていると思いました。

 平成9年2月4日の家計簿のメモ欄に、“20年前新潟で行方不明の少女(当時中学生)*横田めぐみさんが、北朝鮮にいるとのこと、20年も経てわかったようだ。由美も北にいると思っているから見つかる。政府も調べるとのことだからと”書いてあるのを1年前に見つけました。
 平成14年小泉総理の訪朝により、北朝鮮は拉致を認め、5名が帰国しました。総理は重い扉を開けて下さいました。二度目の訪朝ニュースを見たとき、今も不思議なのですが、襟につけたブルーリボンが大きく輝いて見えました、しかし結果を見てその途端に胸の奥から期待に満ちてただけに、地獄の手前に落ちた気持ちになりました。市駅前での署名活動のとき、通りがかりの女性に「可愛そうなのは貴女たちだけではない」と言われました。そう、世の中は可愛そうな方はおられ、胸の痛くなることばかりです。でも、拉致はこうしたこととは少し違います。国の主権が侵されているのです。日本は。だから絶対に国が解決しなければならない問題なのです。

 昨年の郵政民営化での解散のときに総理は、「生命を賭けて」と何度も言われましたが、私はその時テレビに向かって“総理、拉致問題に生命を賭けて北朝鮮と話し合い全員を救出するために頑張りますよと言って下さい。ご自分が誰も開けることが出来なかった扉を開けて下さったのだから”とつぶやきました。北朝鮮がこれまで何度となく行われた日朝対話で誠意を見せない以上は、経済制裁を発動して、被害者全員を取り戻して欲しいのです。家族には時間がないのです。

 日本会議の皆様、被害者が可愛そうだからではなく、ご自分の子供と思って怒って下さい。声を挙げて下さい。多くの人に伝えて下さい。そして一つの大きな力として経済制裁を直ちに発動するよう政府に強く要求して下さい。


 最後になりましたが、今年5月13日(土)松山市で「北朝鮮に経済制裁発動を求める愛媛県民大集会」(注)が行われます。この集会にご自身だけでなく、今まで拉致問題に関心のなかった人々にも積極的に声をかけて頂き、一人でも多くご参加頂きますよう心からお願い申し上げます。
ありがとうございました。
(文責:白石)

 注)「北朝鮮に経済制裁発動を求める愛媛県民大集会」
  日 時;5月13日 14時〜16時
  会 場:松山市総合コミュニティセンター(松山市湊町)
  参加協力費:1000円
  講 師;安 明進(元北朝鮮工作員)
      西岡 力(救う会全国協議会常任副会長)
      横田 拓也(家族会事務局次長)


 この度、大政由美さんが失踪して15年目を迎え、お母様の悦子さんから、日本会議へ心情を綴った手記を頂きました。拉致問題は膠着した状態が続いています。救う会愛媛では、一日も早い解決のため、また大政さんなど本県出身者の真相究明のため、多方面に働きかけています。その活動は皆様の浄財、カンパにより行われています。皆様のご協力をお願いします。

 名義:「北朝鮮による拉致問題を考える愛媛県民会議」
 口座:郵便振替 01600−8−12513

★ 今月と来月の街頭署名活動

3月25日(土)13時〜14時
4月22日(土)13時〜14時 
場所はいずれも伊予鉄高島屋(松山市駅)前
*問い合わせは「救う会愛媛」電話089−973−9003まで

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